福島原発事故による土壌の放射能汚染対策

関勝寿 『経営論集』(東洋大学) 第78号 p. 13-26. 2011. http://id.nii.ac.jp/1060/00004443/

要旨

福島第一原子力発電所で2011年3月11日に起きた事故によって、環境中に大量の放射性物質が放出され、大気圏、水圏、土壌圏に拡散した。土壌圏に蓄積した放射性物質は、空間線量の上昇、土壌から植物への放射性物質の移行による食品汚染を引き起こしている。本稿では、放射性物質によって汚染された生活圏と農地の土壌除染手法について、既往の知見をまとめる。土壌汚染の対策として有効な手法は、表土除去、天地返し、粘土除去のような物理的対策であり、農地への肥料・石灰の施用、転作を組み合わせることもできる。ファイトレメディエーションと化学洗浄は有効性が確認されていない。広大な地域が汚染されているため、時間と費用が膨大にかかること、生じる膨大な放射性廃棄物の処分場が確保されていないこと、といった課題が残されている。

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