著者:関 勝寿
公開日:2015年11月12日 - 最終更新日:2020年3月2日
キーワード: word excel powerpoint

オフィスソフトとは、ワープロ、表計算、プレゼンテーション等、PCを用いたオフィス業務に必要なソフトウェアをセットにしたもので、オフィススイートとも呼ばれる。現在では Microsoft Office が圧倒的シェアを築いているが、他にも様々な製品やフリーソフトウェアがある。また、PCにインストールして使うものだけではなく、ブラウザから使うもの、タブレット端末やスマートフォンで使うものなど使い方が多様化している。

仕事で使う時には会社で使われている製品を使うことになるが、個人的な利用であれば、目的や予算に応じて好きなソフトを選ぶことができる。共同作業でファイルをやりとりするときには、お互いにどのようなソフトウェアを使っているのか、ファイルの互換性はあるのか、といった配慮が必要となる。このページでは、比較的よく使われているオフィスソフトに関する情報をまとめる。

比較記事

Microsoft Office

Microsoft Officeには複数のバージョンがあり、バージョンによって使い勝手が異なる。あるバージョンの操作に慣れた頃に、新しいバージョンで操作が変わってしまい戸惑う、ということもある。バージョンが異なるソフトで作成したファイルを開く時に、書式が完全に再現されるかどうかには注意が必要である。また、Office 2003 以前と Office 2007 以降では、ファイル形式、拡張子が異なる。

ソフトウェア 目的 Office 2003 以前の拡張子 Office 2007 以降の拡張子
Word 文書作成 .doc .docx (マクロ無効; 標準)
.docm (マクロ有効)
Excel 表計算 .xls .xlsx (マクロ無効; 標準)
.xlsm (マクロ有効)
PowerPoint プレゼンテーション .ppt .pptx (マクロ無効; 標準)
.pptm (マクロ有効)
Access データベース .mdb .accdb

Office 2007 以降では、拡張子に「x」と「m」がつけられている。それまでは、Microsoft 独自のバイナリ形式であったファイルの形式を、Office Open XMLOOXML)と呼ばれるXMLベースの国際的な標準規格の形式へと変更した。標準拡張子の「x」は、このXMLを意味するものと考えられる。複数のXMLファイルをzipで圧縮することにより、1つのファイルとしている。また、マクロ感染型ウィルスに感染することを防ぐために、マクロが有効な文書では拡張子を変えている。

Google ドキュメント

文書作成、表計算、プレゼンテーション、図形編集ができる。ドキュメントは Google のサーバ(Google ドライブ)に保存され、ブラウザで直接編集する。他のユーザーとのドキュメント共有ができるため、共同管理するファイルを取り扱う時には便利である。いくつかのファイル形式でインポート・エクスポートが可能である。たとえば、Word や Excel で作成したドキュメントを Google ドライブにアップロードしてそのまま共有したり、PDFファイルに変換してダウンロードしたりすることもできる。

OpenOffice 系統

オープンソース方式で開発・供給されていたオフィスソフト OpenOffice.org の製作プロジェクトは2011年に解散した。OpenOffice.org の後継として LibreOfficeApache OpenOffice がある。いずれもフリーソフトであり、Windows, Mac, Linux 等に対応している。

国際的な標準規格である OpenDocument Format (ODF) という形式でファイルを読み書きする。Microsoft Office の OOXML 形式の読み込みも可能である。OOXML 形式の書き込みについては、LibreOffice は可能で、Apache OpenOffice では xlsx 形式の書き込みはできない。Microsoft Office で ODF 形式のファイルを読み書きすることは可能である。

ベルギー、イギリス、フランス、ブラジル等、多くの国で政府として ODF のファイル形式を採用している。また、日本でも中央省庁や地方公共団体で ODF を標準フォーマットとして採用しているところがある。

ソフトウェア 目的 拡張子
Writer 文書作成 .odt
Calc 表計算 .ods
Impress プレゼンテーション .odp
Draw 図形描画 .odg
Math 数式 .odf
Base データベース .odb

iWork

アップルが開発・販売している Mac や iOS 機器のためのオフィスソフトである。Mac を購入するとプリインストールされているので、Mac ユーザーが使うのには手軽で便利である。Microsoft Office の OOXML 形式でファイルの読み書きが可能であるが、Microsoft Office で開くと書式がずれることはよくある。たとえば Pages でレポートを作成してオンラインで提出する時には、PDFファイルに変換するのが良いであろう。

ソフトウェア 目的 拡張子
Pages 文書作成 .pages
Numbers 表計算 .numbers
Keynote プレゼンテーション .key

KINGSOFT Office

Microsoft Office と同じ OOXML 形式でファイルを読み書きし、操作性も Microsoft Office とよく似ている。なるべく Microsoft Office と近い操作性で、購入価格を抑えたい時には1つの選択肢である。Windows, Android, iOS (iPhone, iPad) に対応している。

一太郎

純国産ワープロソフトの一太郎は、かつては国内最大のシェアを持っていたが、Microsoft Office の Word にシェアを奪われてしまった。独自形式のファイルを使うが、Word 形式や ODF 形式にも対応している。表計算とプレゼンテーションソフトを備えるオフィス製品が、法人向け、官公庁向け、警察機関向けに用意されている。日本の役所が作る書類は無駄に罫線が多く、罫線が多い文書の作成は Word よりも一太郎の方が使いやすいとの定評がある。私は罫線が多い書類を作成するのが嫌いである。