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情報処理実習F:第8回 アクセシビリティとユーザビリティ
この授業では、良いWebページを作成するために心がけること、Webページを作成する時に注意しておくべきことについて学ぶ。
アクセシビリティ
accessibility【名】近づきやすさ、アクセスのしやすさ、接近(可能)性、可触性、近接性
・One trait of a good leader is accessibility. : よいリーダーの特質の一つは、近づきやすさである。
ユーザビリティ
usability【名】 ユーザビリティー、便利、有用性、使い勝手、使いやすさ
著作権と引用
著作権法では、公表された著作物を一定の条件下で引用する事ができると定められている。
公表された著作物は、引用して利用することができる。この場合において、その引用は、公正な慣行に合致するものであり、かつ、報道、批評、研究その他の引用の目的上正当な範囲内で行なわれるものでなければならない。
ここで「公正な慣行に合致し」かつ「引用の目的上正当な範囲内で行なわれる」とは、判例によれば以下のように解釈されている。
全体としての著作物において、その表現形式上、引用して利用する側の著作物と引用されて利用される側の著作物とを明瞭に区別して認識することができること及び右両著作物の間に前者が主、後者が従の関係があると認められることを要する
したがって、自らの文書の中で他人の著作物を引用する際には、自らの文書が主、他人の著作物が従となるようにしなければならない。引用する際には、出典を明記し、引用される範囲を明瞭に区別して認識することができるようにしなければならない。たとえば、レポートに他人の著作物を写して、出典と引用範囲を明示しない場合には、著作権法違反となる。また、著作権法で認められた条件下で他人の著作物を引用する際には、著作者に了解を得る必要はない。
次に、HTMLの中でどのように出典と引用範囲を明示するかをまとめる。
- HTMLで引用に関する要素(タグ)には、<blockquote> <q> <cite> の3種類がある。
- それぞれをどのように使い分け、どのように引用をするか、という方法について HTMLにおける引用 にまとめられている。
- blockquote: パラグラフなどのブロックごとに引用
- q: 断片的な引用
- cite: 出典を示す
- blockquote や q で引用した文章の引用元のURLをcite属性で示すことができる。引用元のタイトルや著作者名をtitle属性で示すことも考えられる。
- ただし、cite属性とtitle属性は通常ブラウザに表示されないので、CSSで表示されるように工夫をしておくと良い。
- 上記著作権法と判例の引用について、HTMLとCSSのソースを確認してみよう。
- cite属性、title属性を使わずに、blockquote要素の前後で出典を明記し、出典がWebであればリンクしておいても良い。
- また、出典と引用範囲が分かるように記述されてさえいれば、blockquote要素を使うことは必須ではない。
プライバシーと個人情報
- Webページを公開する際には、自分および他人のプライバシーに配慮する必要がある。他人のプライバシー情報を許可無く公開することは、できるだけ避ける。自分のプライバシー情報については、どこまでWebに公開するかをよく考えて、自分で判断する。少なくとも、クレジットカード番号、自宅住所、電話番号といった情報は公開しない方がいいだろう。
- この授業では、あくまでもWebページの練習として非公開の自己紹介ページを作成している。将来的に自分のホームページを公開する場合には、以上の点について検討した上で公開する。
- この授業では、個人情報に関わる受講者名簿ページにパスワード認証をかけている。また、授業用Webサーバーは東洋大学内からしかアクセスできないようになっている。このようなアクセス制限はApacheサーバーの認証機能によって実現されている。
- 著作権とプライバシーに関する注意事項は、ブログ、掲示板、SNS日記等、インターネットで公開する情報に関してはすべて同様の配慮が必要であることに留意すること。
文法ミスのチェック
課題
- これまでに作成したページのHTMLとCSSの文法チェックをして、ミスがあれば直して下さい。
- 今回は課題の提出はありません。次回の演習(自己紹介ページの作成)を開始して下さい。
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