著者:関 勝寿
公開日:2015年12月1日 - 最終更新日:2022年12月8日
キーワード: mac tex

macOSTeX / LaTeX を使えるようにするための手順を記す。MacTeX はあえて使わずに、TeX Live を直接入れる。独自のディレクトリ構成にならないので便利。詳しくは参考サイト参照。

インストール

  • /usr/local ディレクトリが存在しない場合には、あらかじめ作成しておく必要がある。
  • TeX Live から install-tl-unx.tar.gz をダウンロード、展開して install-tl-yyyymmdd ディレクトリ内で sudo ./install-tl を実行。
  • TeX Live 2022 をインストールするときには、次のコマンドを実行して /usr/local/texlive/current で現在使用中の TeX Live の年次を指定できるようにする(2022 のところは年次にあわせて変える)。年次をアップデートするときにも、同様のコマンドでリンクを更新する。
cd /usr/local/texlive; sudo ln -s 2022 current
  • パスを通すために、~/.bash_profile にこの行を追記。
export PATH=$PATH:/usr/local/texlive/current/bin/universal-darwin
sudo tlmgr option repository http://mirror.ctan.org/systems/texlive/tlnet
  • Homebrew で gs と poppler をインストール。poppler は pdffonts を使えるようにするため。
brew install gs poppler

ヒラギノフォントの埋め込み設定

フォントとして頒布しない限り、macOSに付属するすべてのフォントが改変を加えないなら商用利用可能である。ヒラギノフォントを埋め込むためには、ヒラギノフォントパッチをインストールする。

確認

サンプル TeX ファイルのコンパイル、生成されたPDFファイルの確認とフォントのチェック。

curl -sO https://gist.githubusercontent.com/sekika/34cad1547e92a62a4a1b/raw/sample.tex
platex sample.tex
dvipdfmx sample.dvi
open sample.pdf &
pdffonts sample.pdf
  • このように emb の欄がすべて yes になっていれば、フォント埋め込みOK。
  • 確認後、rm sample.* でファイルを消せる。

メンテナンス

パッケージの更新

sudo tlmgr update --self --all

TeX Live のバージョン(年次)のメジャーアップグレードについては、

  • 2015から2016へのアップグレードは、TeX Live のページによれば、インフラが変わったので最初からやり直す必要がある。インストールの2番目(install-tl-unx.tar.gz のダウンロード、展開と sudo ./install-tl)と3番目(current リンクの更新)を実行すれば良い。
  • 2016から2017には、何もしなくても自動的にアップデートされる。ディレクトリ名は2016のままであるが、2017のリポジトリから最新バージョンにアップデートされる。
  • 2017から2018へのアップグレードは、新規インストールをするか、Tex Live のページに書かれている通りに sh update-tlmgr-latest.sh – –upgrade を実行する。そして、商用フォントの設定方法が変わったため、ヒラギノフォントの埋め込み設定をする。
  • 2018から2019へのアップグレードは、新規インストールをするか、Tex Live のページに書かれている通りにsh update-tlmgr-latest.sh – –upgrade を実行する。

ちなみに、私の場合は次のような update というスクリプトを書いて、TeX Live, Homebrew, pip のアップデートをまとめてしている。ここで、pip-review の実行には pip install pip-review が必要。

#!/bin/sh
sudo tlmgr update --self --all
brew update
brew upgrade
pip-review --auto

参考サイト