気候変動への国際的取り組み年表
著者:関 勝寿
公開日:2018年10月24日 - 最終更新日:2023年10月20日
キーワード:
environment
気候変動に関する国際交渉の経緯です。
年次 | できごと | 説明 |
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1988 | 気候変動に関する政府間パネル (IPCC) 設立 | 世界気象機関 (WMO) と国連環境計画 (UNEP) により設立 |
1992 | 国連気候変動枠組条約(UNFCCC)採択 | リオデジャネイロの環境と開発に関する国際連合会議(地球サミット)にて |
1997 | 京都議定書採択 | COP3(気候変動枠組条約第3回締結国会合)にて |
2001 | アメリカ合衆国が京都議定書離脱表明 | クリントン政権の間に議会の承認が得られなかったため批准できず、ブッシュ大統領が就任後に離脱を表明。 |
2005 | 京都議定書発効 | ロシア批准により。解説 |
2007 | COP13(バリ) | 2013年以降の枠組み(ポスト京都議定書)を2009年までに採択することを合意。 |
2008 | 京都議定書第1約束期間 | 2012年までの5年間 |
2009 | G8ラクイラサミット | COP15に向けて「世界全体の温室効果ガス排出量を2050年までに少なくとも50%削減するとの目標を再確認するとともに、この一部として、先進国全体として、50年までに80%又はそれ以上削減するとの目標を支持した。」 |
2009 | COP15(コペンハーゲン) | コペンハーゲン合意の採択に失敗。「コペンハーゲン合意に留意する」という決定の採択。外務省による解説 |
2010 | COP16(カンクン) | カンクン合意の採択。平均気温の上昇を2℃未満に抑制するという目標。先進国、途上国が目標を自主的に誓約する。法的拘束力がない。 |
2014 | IPCCの第5次評価報告書 | 工業化以前に比べて「気温上昇を2℃未満に維持する可能性が高いシナリオは、温室効果ガス排出量が2050年までに2010年と比べて40~70%削減され、2100年には排出水準がほぼゼロ又はそれ以下になるという特徴がある(図3.2, 表3.1)。」(統合報告書の確定和訳 p.61)参考:第1作業部会政策決定者向け要約の図表 |
2015 | パリ協定採択 | COP21にて。2020年以降の地球温暖化対策に、すべての国が参加して、世界の平均気温上昇を、産業革命から2℃未満、できれば1.5℃に押さえる。参加国は削減目標をたて、5年ごとに見直し、国連に報告する。 |
2016 | パリ協定発効 | 55か国以上が批准し、世界の温暖化ガス排出量の55%に達したため11月4日に発効。 |
2017 | アメリカのトランプ大統領がパリ協定離脱表明 | ただし発効後3年は脱退を通告できず、通告後1年経たないと脱退が成立しない。NHKの解説 |
2018 | IPCCの1.5℃特別報告書 | 工業化以前の水準から1.5°Cの気温上昇にかかる影響や関連する地球全体での温室効果ガス排出経路に関する特別報告書。参考:政策決定者向け要約と環境書の解説 |
2019 | アメリカがパリ協定離脱を正式通告 | 参考:BBCの記事 |
2020 | 菅義偉内閣総理大臣が2050年カーボンニュートラルを国会で宣言 | 「2050年までに、温室効果ガスの排出を全体としてゼロにする、すなわち2050年カーボンニュートラル、脱炭素社会の実現を目指す」ことを宣言した。参考: 脱炭素ポータルの解説 |
2021 | アメリカがパリ協定に復帰 | バイデン新大統領が復帰を決定。参考:ジェトロの記事 |
2021 | 気候変動予測の研究にノーベル物理学賞 | 真鍋淑郎らが受賞した。大気中の二酸化炭素濃度の上昇が地球表面の温度上昇をもたらす仕組みを解明し、現在の気候変動予測の基礎を築いたことが受賞理由。サイエンスポータルの解説 |
2023 | IPCCの第6次評価報告書 | 温暖化を1.5°C又は2°Cに抑えるには、この10年間に急速かつ大幅な温室効果ガスの排出削減が必要である。世界全体のCO2排出量正味ゼロを、1.5°Cに抑える場合は2050年初頭、2°Cに抑えるには2070年初頭に達成する必要がある。参考:政策決定者向け要約の図 |